マンションシアター映像の販売促進効果とは・・・

前回、マンションシアター映像の地域性について綴ると書きましたが、私の仕事の7〜8割は関東に集中しているので、数本各地域でやった程度で語るのはおこがましいので変更してマンションシアター映像の販売促進効果について綴りたいと思います。                 その前に映像のオーダーとして最初に求めらるキーワードで多いのが「登場感」「インパクト」「テンポ感」「グッと泣けるやつ」「カッコよく」「エンディングでドーンと盛り上げて」などなど。マンションギャラリーにおけるシアター映像の役割は、通常の心理状態の来場者が映像的演出で「高揚感」、「ワクワク感」などハイな心理状態を作り、マンション完成イメージや素敵なライフシーン、マンションコンセプト等をお見せした後、巨大模型やモデルルームをシアターの内容と重ね合わせて見ていただくのが一般的な流れです。また販売員の方が来場者に話しやすい距離感・空気感を作るという役割もあります。つまり一連の流れの中で販促効果は生まれてくるので展示演出も含めてどのパートが欠けても上手く機能しないのだと思います。ただ映像には短時間で人の心を動かすエネルギーがありますので、役割としては重要な部分だと思います。      さて、実際にシアター映像で販促効果が出た例をご紹介します。これは事業主様から直接お話を伺いお礼を言われたので確かな情報だと思います。二百数十戸の低層マンション、街の環境・イメージとしては不利なエリアでした。営業部門主導でイメージづくりを重要視する会社で過去の成功事例のシアタームービーを最初に見せられました。映像的には決して洗練されたものでは無く、いわゆるベタな演出でコンセプトから住宅設備等々に至るまで情報てんこ盛りのムービーでした。見ていて正直辛い印象がありました。それと同様以上の情報を入れたいと。しかも11〜12分で飽きさぜず、最後は思いっきり盛り上げたいと。5.1chサラウンドということもあり、立体音場で空間の広がり、空撮、地上移動撮影、立地が丘の上なのでタイムラプスで日の出〜日没の気持ち良さ、CGムービーで別次元の時の流れの表現等々、、俳優は全く登場せず、CGムービーと環境映像の構成+メリハリの5.1chサラウンドという内容で11分。私としてはオーダーは十分満たしましたが、あまり他人に手がけたことを知られたくない心境でした。ヘビーな編集から1週間ほどして、5.1chの音場を確認するためにマンションギャラリーシアターへ。編集から時間も経っていてやや客観的立場で11分を見終わると、なぜか長く感じず、気持ちよく見れた自分が不思議でした。そして、あれだけ盛り込んだ情報がこの企業は細かいところまでこだわった質の高いマンションを売っているんだ、という自分でも意外な感じを持ちました。やがていくつかのブロックに分けて販売が開始され、即日完売が続いたそうです。そのご担当者曰く、このプロジェクトは明らかにシアタームービーで売れた物件です、と。もちろんこれはその会社の営業部門の戦略が優れていた訳で、私も発見があったプロジェクトでした。ただこれは一例に過ぎず、販売促進の効果は先ほども書きましたが、一連の流れの中で生まれる総合力であり、例えば販売員の振る舞い一つで消えてしまうデリケートなものだと思います。長々と読んでいただきありがとうございました。

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