ドローン技術とプロ魂

ここ2案件ほどドローン撮影が続きました。というか、私が演出上ドローンを積極的に取り入れているからなのですが(笑)。6年前には全国で2〜3社しか業務をしていなかったドローン屋さんも今では数えきれないくらい増えました。私が長くお付き合いしているN氏はヘリのパイロット免許も持っている空撮の超エキスパートで、今回初めてドローンをお願いしたのですが、空撮以上の精度で難易度の高いミッションをこなしていただきました。どう大変かというとマジックアワー(日没後、街に明かりがつき日が暮れる前の15〜20分の時間)を2箇所撮りたかったのですが、そうすると通常セッティングして飛ばすには2日必要なのですが、予算上1日で撮りたいわけです。しかも小雨の中。通常のドローン屋さんだと断られるのが、長いおつきあいでトライしていただいたわけです。ただ撮影するだけではなく1カットはCG合成するためCrane-up,Track-back,Tilt-upなど同時に複雑なカメラワークの精度も求められます。しかも移動後の決め位置は、画面のレイアウトが見えないCGマンションの高さを想定して画面中央にレイアウトし、駅、病院、商業施設がバランス良く見えるピンポイントです。これをマジックアワー時間内で一発で決めるわけですからかなり難易度の高いオーダーです。私は昔、建築CGアニメーションを自分で制作していたので、カメラワークはかなりうるさいのですが、見事にクリアーしていただきました。この勝因にはひとつ理由があります。私は空撮やドローンを撮影するときにはGoogleEarthProで3DCG物件データを読み込んで、検討した上でオーダーするのですが、以前から3次元の視点移動データをドローンで再現できないものかと思い、今回の現場で提案したところN氏も機能はあるが、使ったことはないとのことで、日没まで時間があったため、予め視点データを仕込んでおき、本番でスタートボタンを押してその軌道を再現できたからなのです。ただし、現状ではPanがカタついたりで完璧ではなく、マニュアルでフォローする必要がありましたが、2箇所のマジックアワーを抑えるミッションには非常に効果があったわけです。つまりこの悪条件にも関わらず、監督の厳しいオーダーに見事に応えたN氏のプロ魂であり、あたらめてリスペクトする空撮カメラマンとのお仕事だったのでした。

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